たかが腕時計、されど腕時計・・・・

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たかが腕時計、でもそうでもない腕時計の話です。
 
昔は「就職祝い」に腕時計。なんていう時代もありましたがいまは町中で【時間】を確認できますし、携帯電話でいつでも正確な時間を知ることができるので腕時計をしない方が増えてきました。腕時計の価格もどんどん安くなって100円均一のお店にもあります、すごいですよね。

「父が大切にしていた腕時計です動きますか?」

電池交換で動き出すとすごく喜んでいただいて「あっ 時計屋さんで良かったな」って思う瞬間です。それと同時に亡くなったお父さんがそこに息づいているような、そこに力をもらっているような息子さんの表情がなんともたまらなく心に響くんです。

普段何気なく使う腕時計って人によっては毎日使いますし、一度つけてしまえば朝から晩まで相棒として【時間】を教えてくれます。仕事で失敗した時やうれしい時、発表の時間、待つ時間など節目節目で見ているのが腕時計なんですよね。だからこそ余計その腕時計に使っていた人の魂があるような。

一方で同じ形見の腕時計でも「この時計価値ありますか?」って聞かれることがあります。

内心は『えっ 価値?ですか?』と思いつつ「中古の価格ですか?」とお尋ねします。中古の時計は扱っていないので正確な相場はわかりませんが、だいたいの価格がわかるものに関してはお伝えしています。その価格を聞いて面倒くさそうに「じゃ処分してください」と言われ、とても悲しくなることがあります。
(もちろんいろいろな事情があるとは思いますが・・・思うんですが・・)
私は自分が大切に使っていた時計を受け継いで使ってもらえたらすごくうれしいです。そして喜んで使ってもらえるような関係を築きたいと思っています。

先日は50代ぐらいの女性のお客様が、若い男性に人気の綺麗なブルーカラー文字盤の腕時計を電池交換で持ち込まれました。住宅街にある小さな当店では営業時間内に来れない息子さんの依頼でお母さんが持って来られることがよくあります。今回もそうだと思っていました。

電池交換を終えて動き出した時計を見て「あ~よかった、この時計は息子が津波の時にしてた腕時計なんです」とのこと。時計の息遣いを確認するように大切に大切にしまうお母さんの表情がとてもうれしそうでした。
きっと息子さんも喜んでいると思います。

震災後、親戚のおばあさんは当店でお買い上げいただいた腕時計を身につけていたので特定するきっかけとなりました。5年ほど前に当店で息子さん夫婦がプレゼントで購入していただき、その時の型番を元にその時計の特徴と身に着けていた時計の特徴が合致しました。まさか腕時計がそのような役割をしてくれるとは思っていなかったのでとても驚いたのと同時に心から「見つかってよかった」と思いました。

『腕時計』がその人を見つけるきっかけとなったり、世代を超えて心を通わせるモノとなったり、亡き人を思い出すモノとなったり・・・・・ただの「時間を見る道具」だけではないのだと思いました。

このブログでは日本の時計が大好きなタイムガーデン店長加藤が「腕時計を大切に使いたい」「世代を超えて楽しめる腕時計を探している」方のために書いていきます。

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